「障害が価値に変わる社会」を創りたい吃音VR起業家の活動日記

日本に120万人、世界に7600万人いる原因不明の言語障害である吃音症を改善する世界初のVRプロダクトの開発と研究をしているMarkです。このブログでは、VRの進捗報告と、当事者の経験と研究から吃音の改善、悩みの軽減のヒントになるような情報を発信していきます。VRの研究開発を3年ほど行う中で吃音や心理学、VRの様々な研究論文や学術誌を読み漁り、吃音の支援団体でも活動を行い、実際に100名以上の吃音者とお会いしてきたので、その経験と研究ベースの情報を元に吃音の改善、悩みの軽減に役立つ情報を発信していきます。

【VR体験会の開催レポート】難発がメインの社会福祉士の方にご参加いただきました!

どうも、Markです。

7/11に1名限定でVR体験会を開催しました!

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男性の吃音の方で、社会福祉士のお仕事をされていて、電話で話す場面で特に吃音で悩まれている方がご参加下さいました。

 

基本的に難発の症状がメインの方で、国立障害者リハビリテーションセンターに通院されており、現在は、認知行動療法ベースの治療をメインに受けているとのことです。

 

 

VRを体験して頂いた感想

 


・面接

Normal

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「自分が就活生の頃を思い出した。

VRとわかっていても緊張する。面接官が眉間にしわを寄せる時、緊張する

 


・自己紹介

Hard

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「自分が最後に自己紹介で、明るい雰囲気なので、最後自分が言ってしらけたらどうしようと不安になる。。。


「みんなうまく話しつつも、笑いもとっているのですごいな」

 

「最後ですね、お願いしますと言われるのが構えてしまう」


こういうのがあれば、

レーニングが家でもできそう。

 

「新生活とか入る人はやったほうがいい」

 

「当事者ならではの苦手ポイントをついている」

 

・プレゼン練習
Hard

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「プレッシャー、みんな聞いていない、こんな中で話すのか。誰も自分の話を聞いていない、見ていない、スマホを見ている」

 

目の前でパソコンを閉じられるとかもすごくしんどかった

 

「当事者ならではの視点で、吃音者が本当に苦手なシチュエーションが分析されている」

 


・電話練習

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「電話のVR。全てが嫌なシチュエーション」

「狙ったかのように、自分のところにしか電話がない


VRでも電話が鳴って取るまでの間に、ちゃんとどもらずに言えるかなとどうしても考えてしまう」

 

「それが映像でも感じた」


「その葛藤の部分が実際の場面と重なる」

 

「どもらないか、どもったら他の人、どう思うんだろう。横に人がいるとしんどい。変な汗をかく

 

 

 

○自分が思うVRの価値、可能性について。


今日の体験会では、VRで実際の場面と同じ不安や緊張が生まれることや実際の不安を感じた際の吃音の症状なども出るということがジョージワシントン大学のShelley Brundage教授が行った海外の研究で言われておりましたが、

 

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Real Enough: Using Virtual Public Speaking Environments to Evoke Feelings and Behaviors Targeted in Stuttering Assessment and Treatment | American Journal of Speech-Language Pathology

Shelley B. Brundage | Department of Speech, Language & Hearing Sciences | The George Washington University

 

 

 

やはり、今回、実際に体験してもらい、VRと分かっていても実際と同じようなどもって変に思われたらどうしようという不安などが生まれ、汗をかいたといった声などからも

 

 


VRとわかっていても失敗できない、どもる不安を感じることが分かりました。

 

 

 

でも、そこまでリアルと近いけど、自分一人でできるので、どんなにどもっても、失敗してもいい。

 

 

 

どもる声やどもっている様子を誰にも見られずに、苦手な場面での発話に挑戦できるというのがVRの価値なのではと改めて思いました。

 

 


現在、VR体験会の他にも吃音の改善、悩みの軽減に役立つ勉強会を少人数で開催していますが、

 

 

 

やはり、心理療法などを実践する以前に

 

「苦手な場面での発話をどうしても回避してしまう」

「どもるとパニックや焦りがすごくて、そもそもそういうことをやる余裕がない」

 

 

 

そういう声を頂きました。

 

 

 
確かに、どもるとパニックに近い状態になりますし、焦って、さらにどもりが増して、しんどくなるというのは自分も経験があるので、痛いほど分かります。

 

 


そもそも、僕たちにとって対人場面や発話する場面の多くが失敗できない、本番なんですよね。

 

 

 

普通に話すことができている人間を演じているだけで、言い換えしたり、言葉が出る時に話したり、自分は苦手な対人場面で話す際は、綱渡りをしているかのような状況でした。

 

 

 

なので、吃音がある人の前ですら、こう思われたどうしようという不安は少なからずあるなと思っています。

 

 


だからこそ、苦手な場面で発話する、回避を減らすための最初の一歩としてVRという選択肢があると、もっと手軽に、苦手な場面に挑戦する練習ができるのではないかと思いました。

 

 


なので、これからより、VRの可能性を一人でも多くの人に知ってもらうために、VRを当事者団体とも連携して、VRの貸し出しを行える体制を作りたいと思っています。現在、2団体ほど、ご協力いただけそうです。

 

 


そのために必要な機材を集めるためにクラウドファンディングにもこれから挑戦します!!

 

 

 

誰もが自分の障害で本当にやりたいことや夢を諦めなくていい、そんな社会を実現するために、挑戦したい人、夢を諦めたくない人。

 

 

 

そんな人のための挑戦できる場所、新しい選択肢としてVRを広く多くの人が使えるような体制を作れるように、頑張っていきたいと思います!

 

 


今回のようなVR体験会も随時開催しておりますので、ご興味を持っていただいた方は以下のURLから、お気軽にお問い合わせください!

 

domolens.jp


また、SNSに直接、DMを頂く形でも大丈夫です。

 

 

 

オンラインでまずは雰囲気だけでも体験してみたいという方は、オンラインでのVR体験会も開催しておりますので、そちらをご希望の方もお気軽にご連絡下さい!

 

 


これからは、今までVRを体験してくれた方の感想なども随時、ブログにアップしますので、よろしくお願いします!