「障害が価値に変わる社会」を創りたい吃音VR起業家の活動日記

日本に120万人、世界に7600万人いる原因不明の言語障害である吃音症を改善する世界初のVRプロダクトの開発と研究をしているMarkです。このブログでは、VRの進捗報告と、当事者の経験と研究から吃音の改善、悩みの軽減のヒントになるような情報を発信していきます。VRの研究開発を3年ほど行う中で吃音や心理学、VRの様々な研究論文や学術誌を読み漁り、吃音の支援団体でも活動を行い、実際に100名以上の吃音者とお会いしてきたので、その経験と研究ベースの情報を元に吃音の改善、悩みの軽減に役立つ情報を発信していきます。

【吃音症状の軽減が吃音改善に繋がった経験談】自分の吃音改善のプロセス

どうも。

Markです。

久々にブログを更新しました。

 

今回は、Twitterで自分が吃音を改善できたまでの感覚を教えてほしいと連絡をくれた方がいたので、自分がどのような過程で、少しずつ吃音を改善したと言えるレベルまで吃音の悩みが減っていったのかをご紹介したい思います。

 

個人的な感覚だと、心理的な課題感で吃音で困っている人や連発が基本で、難発はあっても長くて5秒ぐらいの人には向いているのかなと思ってます。

 

あくまで個人の感覚なので、参考になれば嬉しいです。

 

小中高

 

f:id:VRforstutter:20191021205958j:image

 

小中はいじめにあい、人の笑い声が馬鹿にしているような幻聴が聞こえたり、人の目を見るのが怖くて、涙が出るぐらい、社交不安のような症状が強かった。人と話す時もいじめられていたので、話すだけで馬鹿にされる、否定されるという感情が強くなり、言葉をほとんど発さなくなった。そのせいで、前を向いて歩くことができず、人の目や声が聞こえないように下を向いて歩いていた。

 

 

 

最初はどもったら馬鹿にされるとか、どもったら嫌だという感情が強かった。少しでも、どもったり、言葉が詰まると、顔が赤くなり、

動悸が早くなり、早く話そう、早く話そうと

どんどん焦ってしまう。だから、高校でも、お疲れとか、おはようとか詰まるから、言わなかったし、複数人で話す時も話のペースについていけないので、話すことから回避していた。

 

 

 

大学生

それでも、大学生になってからは自分を少しでも変えたい!と思い、人と話す場面を避けずにどもったり、言葉が詰まる場面に参加し続けた。

 

 

 

どもりに対する否定感が減ったのは、どもっても、言葉が詰まっても人に自分の想いや伝えたいことは伝わるという実感を営業の仕事で感じられたこと。

 

f:id:VRforstutter:20191021142534j:image

 

営業は学生団体で武道館でソーシャルビジネスコンテストを開催して、8000人集まるというものだった。そのビジコンのチケット営業で、言葉が詰まっても、話すのがゆっくりでも、どもっても、自分の思いは伝わるし、相手に理解してもらえるという経験を積んだ。

学生同士だったので、失敗してもそこまで怒られるとか、ダメージが少なかったから、場数をこなせたのかなと今では思う。

 

 

 

それからは自分のどもりを俯瞰してみられるようになった。どもったらダメだとどもりを否定していた時は、どもったらとにかく恥ずかしいし、周りにも迷惑かけているし、やばい!早く言わないと!という感情でパニックになっていた。

 

 

 

でも、どもっても、言葉が詰まっても、人に言葉は伝わるし、相手にそこまで気を使う必要もない、そう思えてからは、どもる自分を俯瞰的に見られるようになり、どういう時にどもるのかパターンがわかるようになった。

 

 

f:id:VRforstutter:20191021124213j:image

 

あと、人は他人のことなんて気にしていない、気にしているのは自分だみたいなことをアドラーの嫌われる勇気を読んだり、色々な本、特に心理学系の本を読んでいく中でもどもりや言葉の詰まりで、急いで話そうとか思わなくなり、焦りが無くなった。

 

 

 

卑屈なぐらいに謙虚だったからこそ、自分のペースで話す、相手がいくら待とうが関係ない、それを意識してから楽になった。

 

 

f:id:VRforstutter:20191021124521j:image

 

それからは色んなベンチャーインターンをして、ライターや広報、マーケティングなど

話すことがあまり必要とされない仕事で経験を積み、結果を出していった。話すこと以外で結果を残し、自信がついてきたので、ずっと逃げていた接客に挑戦。

 

f:id:VRforstutter:20191021124509j:image

 

めちゃくちゃ忙しい接客のバイトで、どもることや言葉が詰まることを気にしていられない、とにかく数をこなすという場面で、苦手な言葉をどもりながらも、言葉がつまりながらも1日に何度も話し続けた。

 

 

 

6ヶ月ほど経ってから、レジに立った瞬間に一切思考をせずとも、流れるように言葉が出てきた。その時の成功体験から一気にどもりも言葉が詰まることも減った。この接客のバイトはカフェレストランで教育が行き届いていたため、一回も馬鹿にされることもなく、大丈夫だよと

ゆっくり話しても、詰まっても、受け入れてもらえる環境だったのも大きかった。

 

 

 

また、吃音者の多くはどもったり、詰まって、周りに迷惑が少しでもかかると、自分は邪魔だと思われている、迷惑をすごくかけていると自己肯定感が下がったしまうが、

 

 

 

このアルバイトは皿を少し運んだりしただけで、さすが!助かる、ありがとう!と少しの行動で感謝してもらえたり、皆が入れない時間にシフトを出すだけで本当にありがとう、君がいて良かった!助かったよ!と感謝をしてもらえたので、役に立っているという感覚を感じられたのも大きかった。

 

 

 

まとめ

 

まとめると、自分の場合は吃音を否定してしまう心理的な課題感が減ったことで、どもる場面、言葉が詰まる場面でパニックにならず、客観的に自分のどもりを捉えられるようになった。

 

それからはめちゃくちゃ謙虚で、卑屈なぐらいだったので、自分のペースで、相手を待たせてもいい、少し自己中なぐらいな考え方ができたことで、早く話そう、早く伝えようと思うことが無くなった。詰まっても、どもっても、

焦ることが無くなり、自分のペースで話すようになった。

 

アドラー心理学の本の中で、誰も他人に興味がない。気にしているのは自分だけみたいな文章で、それを経験から実感できたことも大きかった。

 

そこからどもることではなく、別のことに意識を向けざるを得ない環境に身を置くことで、どもりと言葉が詰まるのが減ったという接客でこ成功体験から、その後も吃音が改善した。

 

今も少しどもったり、詰まることはありますが、楽にどもれるようになり、吃音では何も悩んでいないです。

 

一回もどもったらダメだ、一回も詰まったらダメだ。その考えを捨てることができると気持ちは楽になるんじゃないかなと思いました。

 

治療ではなく、軽減を目指す、その結果、改善していくこともあると思うので、何か参考になれざば嬉しいです。

 

 

 

最後に今回の経験での学びをまとめてみました。

 

 

 

【自分の経験から大事だなと思うこと】

◽︎どもることを避けない。場数をこなすことで

慣れてくる。

◽︎人に待ってもらってでも、自分のペースで話すことを貫く。吃音者は良い人が多い分、謙虚な人が多いので、少し自己中な方がちょうどいい。(これは自分的にはすごく大事だと思う)

◽︎言葉が詰まりそうだなと思ったら、無理に話そうとしない。(難発で無理に話すとすごく疲れますし、個人の経験では難発が強い時は話すのをやめていました。自分が続けられる、できることをやればいいと思います)

 

◽︎どもったこと、言葉が詰まったことを意識しない。それよりも、自分の伝えたいこと、言いたいことを相手に伝えられたかを大事にする。

◽︎心理系の本を読むだけではなく、学んだことを苦手な場面やどもる場面で実行する。

マインドを変えるだけでは意味がないけど、考え方をインプットし、それを実践することで、本当の理解になる。人に言われる言葉より、自分の経験から実感することが一番大事。オススメは「嫌われる勇気」

◽︎吃音者は普通の人のように自由に話せない

。だからこそ、話すこと以外で結果を残す。

 

自分にできること、自分の可能性を決めつけない、色んなことに挑戦する中で、結果を残せれば自信もつく。その自信がさらに前に進む原動力となる。

 

 

 

あと、自分はどーもわーくやVRの活動で50人以上の吃音者の方と向き合ってきたり、関東の吃音のコミュニティには色々参加してきたので、悩み相談でも吃音に関して聞きたいことでも何かあればお気軽にご連絡ください!

 

自分自身、うぃーすたとか言友会に参加したかったけど、参加していいのか分からず、ハードルが高いなと感じていたので、そういった方のお手伝いもできればと思っております。

 

 

 

また、今回は個人の体験談なので、これで全ての人が改善するかは分からないので、そんな人もいるんだなと参考程度に考えてもらえればと思います。

 

今後はより再現性のあるエビデンスベースな吃音への心理的なアプローチや社交不安障害を改善する研究なども勉強はしていますので、そういったお話や内容。または、海外の最先端の研究内容もこのブログでご紹介していきたいと思います。

 

 

ご質問やご相談などあればこちらからどうぞ!

Twitter

@MarkRifu