DomoLens(吃音VR)でどんなVRが体験できるのか?徹底解説します!
どうも!
吃音症を改善するトレーニングVR、DomoLensの開発と研究をしている梅津です。
今回は、色んなとこで吃音VRと言っていますが、
「実際どんな体験ができるのか?」
「実際、体験した人はどんな反応なのか?」
「本当に吃音が改善できるのか?」
などを徹底解説し、一人でも多くの吃音者に
VRの可能性を知っていただき、吃音の課題解決のお役に立ちたいと思い、DomoLensでどんなVRが体験できるのかなどをご紹介したいと思います。
1.DomoLensのコンセプト
2.体験できるVRの種類は4つ!
3.面接VR
4.プレゼンVR
5.自己紹介VR
6.電話練習VR
7.今後の展開
1.DomoLensのコンセプト
そもそも、このVRで本当に吃音が改善するのか?そんな疑問をお持ちの方が多いのではないかと思います。
なので、まずはどんな仕組みで吃音の改善をVRで行うのか、コンセプトをご紹介しますね。
DomoLensのコンセプトは
「安全な場所で、どもる場面を、繰り返す」
です。
吃音がどんなに出ても、一人でできるため、周りにどもっている声は聞かれない。また、どんなにどもっても、変な顔はされないし、馬鹿にもされない。人に頼まなくても、一人で対人場面での練習ができる。実際と同じような緊張や不安が出て、吃音が出ても、恥ずかしくない!そんな失敗が許される安全な場所で、
吃音者一人一人、どもる場面や苦手な場面は違う。だからこそ、一人ひとりに合わせて、その人が一番どもる場面を選べて
自分のペースで、何度でも繰り返せる。
これを繰り返すことで、緊張や不安が増す苦手な場面での対処の仕方を学んだり、何度も繰り返すことで、緊張や不安が緩和され、自信がつき、吃音を改善するトレーニングVRがDomoLensです。現在、吃音当事者の臨床心理士、言語聴覚士で心理士の資格を持つ方、吃音の方や社交不安の方のセラピー経験のある精神科医の方にご相談させていただきながら開発を進めています。
これは自分自身が、苦手な場面を何度も繰り返すことで、吃音を改善できた原体験と認知行動療法などの心理的なアプローチを組み合わせたプログラムです。
このアプローチによって、緊張や不安によって、吃音が出るタイプであれば、改善できるのではないかと考えています。
※そういう意味では、緊張や不安以外の要因で吃音が出る人に対しては、まだ効果的なソリューションとは言えないです。そういった方に対しても、今後は研究していき、吃音の改善に役立てるように努力していきます。
さらに、吃音者の成人の40%に社交不安障害という別の障害が併発し、これが吃音の症状を悪化させているとも言われています。VRは不安障害などに有効だと海外の研究では言われており、その中の社交不安に対する研究も進んでおり、既存の治療よりと同じか、それ以上の効果を持つ場合もあるという研究もあります。
この社交不安をVRで改善することで、吃音の症状も改善するのではないかと考えています。
実際に、アメリカとイギリスでは、吃音とVRに関する研究があり、そこではVRが既存の吃音臨床の効果を高めるであったり、不安や緊張を緩和し、吃音も改善できたなどの研究もあります。
実際、2名の吃音と社交不安を併発している方にも2ヶ月間の実証研究を行い、吃音の症状ごとに改善の度合いは変わるものの、期待できる結果を得ることができました。
2.体験できるVRの種類は4つ!
では、今は何が体験できるのかですが、
面接がEasyモードとNormalモードの2パターン。プレゼンがNormalモードとHardモードの2パターン。自己紹介が最後に話すのと、真ん中で話すので2パターン。電話練習が会社で働いている場面で1パターンです。
では、実際にどんなVRが体験できるのか詳しくご紹介します!
3.面接VR
質問は5問出題され、それぞれ制限時間が設けられています。質問の後に、カウントダウンが表示されます。その時間内に答えることで、緊張しやすい、どもりやすい場面でしっかり話せるように練習できるVRです。
ex.
「志望動機を1分でお願いします」と面接官が話すと、画面にカウントダウンが表示され、59、58、57と圧迫感を強めるコンテンツになっています。
①Easyモード
Easyモードは、面接官1人と1対1で面接します。服装はカジュアルで、話もしっかり頷いて聞いてくれるので、面接というより面談に近いです。部屋も個室なので、そこまで緊張はしづらいです。面接が苦手な人でもやりやすい一番難易度が低いコンテンツです。
②Normalモード
Normalモードは、面接官が2人で、2対1で面接します。服装はスーツで、反応も実際の面接に近づけて、話をしている間、履歴書を見ていて、あまりこっちを見てくれませんし、頷きも Easyよりかなり少ないです。また、部屋も15人ぐらい座れる大きめの部屋なので、緊張感が出てきます。Easyより一段階、難易度が上がっているコンテンツで、Easyに慣れたらこちらを体験してもらいます。
4.プレゼンVR
8名の前でプレゼンテーションを行い、緊張しやすき、どもりやすいプレゼンの練習ができるVRです。5分間の映像なので、5分間のプレゼンテーションが可能。
①Normalモード
Normalモードは、普通のプレゼンという名前通りで、8名全員が興味を持って、しっかりこちらを向いて、真剣に聞いてくれます。自分の話を聞いてもらえない不安があったり、人前で話すのが苦手な人にオススメです。
②Hardモード
Hardモードは、途中から興味がどんどんなくなり、スマホをいじったり、あくびをしたり、つまんなそうに聞いていたら、ある程度時間を経つと、雑談をし始めたりと、普通のプレゼンの場面よりも緊張や不安が高まりやすいコンテンツになっています。通常より、レベルの高い場面になれることで、実際のプレゼンでの緊張や不安を下げられると考えております。
自分自身も100人以上のピッチなどがある際は、使っておりますが、手汗が出たり、緊張してどもることもあり、ある程度、緊張感が高い場面の方が練習になる方は、こちらがオススメです。
5.自己紹介VR
8名のグループで、自己紹介をするVRです。
自分自身が自分の名前を言うとか、自己紹介が苦手だったのと、色んな吃音者とお会いして、
やはりこれは必要だと思い、開発しました。
最初は元気よくよろしくお願いします!と皆が挨拶をして、ファシリテーターの人が、「では自分の名前と趣味で、時計回りで、一人ずつ自己紹介お願いします!」と言われるので、時計回りで自己紹介していきます。
①最後に自己紹介するパターン
最後に自己紹介するため、一人ひとり元気に明るく自己紹介をしていき、一人ずつ自分の番が回ってくる緊張感やどもったらどうしよう、言葉がうまく出るかななどの予期不安も感じやすいと思います。実際、VRと分かっていても、心拍数が上がった、実際と近い緊張を感じたとおっしゃる方もいます。
6.電話練習VR
吃音者の苦手なシーンに関するアンケートを行い、76名に答えていただき、ダントツで苦手と答えたのがこの電話です。
内容としては、吃音者は電話を受けて自分の名前を言うのが苦手なので、その練習のためのVRです。シチュエーションは、会社で自分の横に
2名同僚がいて、前にも2名同僚がおり、みんなが黙々と仕事をしている静かな状態で、いきなり電話が鳴り、その電話に出て、「はい、○○です」と言うVRです。
まだプロトタイプなので、応答はできませんが、今後はそういうのも開発していく予定です。
7.今後の展開
今後ですが、まず電話練習の応答コンテンツを開発します。そして、面接やプレゼン、自己紹介で役員verでのいかつい方、偉そうな方のパターンも作ります。
また、AIによる音声認識で、どもりを検知し、
相手の反応を変えるという機能も搭載する予定ですが、ある程度研究が必要なため、すぐは難しそうです💦
どのようなコンテンツを開発するか、どんな機能が必要かなども一緒に作っていければと考えています。
うぃーすたや言友会などの吃音の自助団体、廣瀬カウンセリングなどのカウンセリング教室、言語聴覚士の先生がいる病院など吃音者の支援をされている方々と協力していきたいです。
また、吃音者一人一人の吃音が出る場面、苦手な場面が違うので、一人ひとりに人を変えたり、場面を変えたり、どもりに対する反応を変えたり、カスタマイズできるようにしたいと考えています。
さらに、IoTで不安や緊張を検知し、それを数値化するなどもしたいです。
色々やりたいことはありますが、吃音者の課題に徹底的に向き合い、価値のあるものにできるように、頑張りたいです。
「VRをまず体験してみたい!」
「まずはどんなVRか詳しく内容を知りたい!」
という方は以下のHPから、お気軽にお問い合わせください!