「障害が価値に変わる社会」を創りたい吃音VR起業家の活動日記

日本に120万人、世界に7600万人いる原因不明の言語障害である吃音症を改善する世界初のVRプロダクトの開発と研究をしているMarkです。このブログでは、VRの進捗報告と、当事者の経験と研究から吃音の改善、悩みの軽減のヒントになるような情報を発信していきます。VRの研究開発を3年ほど行う中で吃音や心理学、VRの様々な研究論文や学術誌を読み漁り、吃音の支援団体でも活動を行い、実際に100名以上の吃音者とお会いしてきたので、その経験と研究ベースの情報を元に吃音の改善、悩みの軽減に役立つ情報を発信していきます。

【自己紹介と活動実績】

【自己紹介】

現在、立教大学4年で休学中です。 今年の12月か遅くても、来年の1月には会社作ります。IT企業8社で長期インターンしてました。今はVR企業でVRアプリ開発をしてます。主に日本に120万人、世界に7600万人いる原因不明の言語障害である吃音症を改善する世界初のVRプロダクトの開発と研究のプロジェクトを社会人や色んな専門家やセクターの人を巻き込んで進めています。今後は大学との共同研究や当事者団体との連携、吃音の専門家と連携し、多くの吃音者に使ってもらい、実証研究などを進めていきたいと考えています。

 


「世界初の吃音症改善プログラムをVRで実現し、吃音の歴史に変革を起こす」 

 


そして、障害で自分の可能性を諦めなくていい社会を実現したいと考えています。

 


このプロジェクトの背景には、元々自分自身が吃音症で苦しみ続けた過去があるのと、海外でのVRによる精神障害発達障害の改善の事例や研究が吃音に応用できるのではないかと考えたからです。

 


実際、海外の大学や研究所、医療機関発達障害精神障害、不安障害に対してVRを活用することで症状の改善や治療が見られたという研究や論文があります。うつ病統合失調症自閉症、被害妄想、PTSDパニック障害、閉所恐怖症、飛行機搭乗型恐怖症、摂食障害、人前に出ることやスピーチに対する恐怖症などがあります。

 


なかには、これまで医療の常識では不可能と言われていたことが実現できた事例もあり、実際に海外ではメンタルヘルス領域にVRを活用した事業を展開している会社が何社もあり、メンタルヘルスにおいて非常にVRに可能性を感じています。

 


その事例としては、これまで薬でしか治療ができなかった難病の痛みの緩和や脊髄損傷の患者の神経や筋肉の一部が復活したなどがあります。

 


こういった海外の事例や研究を交えて、メンタルヘルス領域におけるVRの可能性を話す講義を月に1回企業でやっているので、ご興味があればご相談下さい。

 

 

 


【活動実績】

2017年度の東京都主催のビジネスコンテストTOKYO STARTUP GATEWAY(https://tokyo-startup.jp)では、1360人中の10人のファイナリストに選出され、300人の前で事業ピッチを行う。

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障害者の就労を支援する就労移行支援事業所でVRによるメンタルヘルスの講師として講座を行う(https://snabi.jp/facility/4895)

 

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2018年度、毎日新聞主催のアクセラレータプログラムである毎日みらい創造ラボ(https://mirailab.tech)の2期生に選出。 

 

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2018年の6月に開催された上海のVR展示会であるGVRC(http://www.gvrc.org.cn)でもVRの出展を行う。


 

 

2018年9月、デジタルガレージ主催のバイオ・メンタルヘルスに特化したシードアクセラレータプログラムOpen Networklab BioHealth(https://onlab.bio)の1stBatchのスタートアップ企業に採択される。

 

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2018年度の総務省の支援プログラム異能vation(http://www.inno.go.jp)では、1万件の応募の中からジェネレーションアワード部門にノミネートされる。

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11月には、三井ビルで開催されたメドテックイノベーションフォーラムという医療機器のシンポジウムでは、ピッチ企業として登壇。(https://www.link-j.org/event/post-1130.html)

 

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活動内容の詳細はこちらからどうぞ。

 


Microsoftの澤円さんのVoicyの番組「澤円の深夜の福音ラジオ」に出演させていただきました】

https://voicy.jp/channel/632/30736

 

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【東京都主催のビジコン】

http://thebridge.jp/2017/11/tokyo-startup-gateway-2017-demoday

 


https://www.google.co.jp/amp/s/prtimes.jp/main/html/rd/amp/p/000000016.000012113.html

 


tokyo-startup.jp/final2017

 


毎日新聞アクセラレータプログラム】

https://mainichi.jp/articles/20180607/k00/00m/040/113000c

 


http://thebridge.jp/2018/09/mainichi-mirai-innovation-lab-2nd-batch-demoday

 


【バイオヘルス・ヘルスケアに特化したシードアクセラレータプログラム】

https://onlab.bio/onlab-bio-2018-採択チームのご紹介/

 


【起業系メディア】

https://suke10.com/article/12465/VRで挑む「吃音」治療、医療分野でも広がる可能性【番外編①】

 


【インタビュー記事】

https://note.mu/sawanao/n/nb2a5564e850b

 

自閉症をVRで改善、イギリスの大学の研究

ニューカッスル大学でのVRによる自閉症患者の恐怖や不安の改善】

 

ニューカッスル大学の「ブルールーム」研究です。仮想世界を壁に投影する方法により、あること、あるものに恐怖を感じる発達障害の子のために予め作った仮想世界でによる行動療法を行いました。9人の子供が被験者となり、8人がその恐怖や不安に立ち向かえるようになり、4人の子どもは1年後、恐怖症を完全に克服して、顕著な改善を示しています。


https://www.turtlewiz.jp/archives/8548/amp

 

 

【考察】

自閉症発達障害の一つで、吃音も政府広報オンライン(https://www.gov-online.go.jp/featured/201104/contents/rikai.html)

で、発達障害に含まれています。

 

今年の夏に広島で開催された吃音の世界大会でも、吃音と自閉症を併発した人へのアプローチという演題があったりします。なので、吃音は原因不明で、まだよく分からないことが多い、だからこそ、様々なアプローチが必要で、この発達障害である自閉症の恐怖や不安をVRで改善できたという事例は、吃音の課題解決の一つを考えるの役立つのではないか、そう考えています。

 

実際、就労移行支援事業所に通う吃音と自閉症スペクトラムを併発している方に対してもVRを使った実証実験を行いましたが、不安や恐怖は軽減されました。それから、就職も決まりました。なので、吃音に併発する別の障害にVRがアプローチできるだけで、吃音者の課題解決の一つになるのではないかと私は思います。

 

このイギリスの大学の研究の意義としては、

脳に問題があるが、よく分からないと言われている発達障害の困りごとの解決策の一つとしてVRが有効なのではないかという可能性が見えたことです。

 

精神疾患発達障害は、薬を飲まなくても良くなるはずだった人まで、薬を飲み、副作用に悩む人がいます。VRが薬に代わる有効性を証明できれば、そういった人は救われるのではないか、そんな未来を実現するために、今後も頑張りたいと思います。

 

 

 


 

VRが脳を変える!?海外の研究事例2つ

VRで脳のマイナスな記憶を前向きな記憶に書き換えられる!?

今から15年以上も前に行われた研究の結果ではあるが、ミシガン州立大学で行われた研究ではVRによって脳の一時的な「再配線」が可能だという結論が出た。長期的な効果を示すものではないが、VRを継続的に使うことでその状態を定着させることも可能かもしれない。

 

※脳の再配線とは

あなたが何かを思い出す時、脳は神経細胞間の結合を「再配線」しているのです。文字通り、脳の構造を書き換えています。人間の記憶は、ビデオの再生というよりは、ビデオの編集に似ています。何かを思い出す時、あなたは再現し、書き換え、再記憶しているのです。おそらく、記憶は思い出すたびに新たに書き換えられています。

 

 

 

VRが脳の海馬を肥大化させる

カナダ・モントリオール大学が発表した「海馬の可塑性に対するビデオゲームインパクト」という論文によると、VRゲームが脳のなかにある海馬を大きくするという研究結果が報告されている。これまでゲームというとすべて同一視されてきたが、VRゲームは既存の単純なゲームとは異なるバリューを脳にもたらしてくれるということを、前向きに評価できる時代が到来しているのだ。

 

 

 

「10年以内に治療中のVRは当たり前に」フランスの病院で痛み緩和にVR活用

 

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フランスのある病院では、救急処置室にいる患者をVRでリラックスさせ、鎮痛剤を使わずに痛みを緩和する試みが行われている。

  

内容としては、VRゴーグルをつけると、 日本の寺の庭園や雪の降る丘が目の前に現れる。脱臼や怪我を処置する痛みに耐える代わりに、素晴らしい音と景色を備えたVRで気を紛らわせるという試みだ。


フランスの病院のトップの医師は次のように話す。


VRを使うことで、治療中に患者の気を紛らわせ、痛みや不安を抑えることができる。私の考えでは、今後10年の内に、VRを治療中に使うのは当たり前のことになるだろう」

https://www.moguravr.com/french-hospital/

 

 

【考察】

フランスの病院ではすでに、VRが鎮痛剤の代わりに使われており、救急部門のトップの医師も

10年以内にVR活用が当たり前になると言われるほど、効果が高いみたいです。VRによる痛み緩和に関しては、海外では研究が進んでおり、

すでにVRによる痛み緩和のシステムとして企業が事業を行なっている会社も数社あったりします。

 

また、VRによる痛み緩和は、痛みにおける新たな新規メカニズムをVRが作り出しているという論文があるほど、VRは脳を騙し、脳の神経に作用させるデータもあります。

 

こういったVRが鎮痛剤に限らず、様々な薬として実用化されるのもそう遠くはない未来だと考えています。そこを世界で先駆けて、まずは吃音や社交不安という領域で私は実現していきます。

 

 

 

 

吃音VR開発に込めた想い

吃音があるだけで、どんなに能力があっても、どんなに想いがあっても、就職できない。吃音があるだけで、周りの普通と違うだけで、やりたいことができない、やりたいことや様々なことに挑戦する機会が奪われている。
 
そして、多くの吃音者は、吃音のために、やりたい仕事ではなく、吃音でも働ける仕事、生活ができる仕事を選び、自分の人生に妥協する。小さい子供でさえ、吃音があるだけで、将来は工場で誰でもできる仕事をするしかないと、将来に希望が持てない。
 
そう、吃音があるだけで、周りが当たり前にできる挨拶や自己紹介、音読、それができないだけで、自分は欠陥品なんだと思うようになり、ますます自己肯定感が低くなる。
 
さらに、吃音があるだけで、周りからいじめられ、自分の存在意義まで分からなくなる。
 
そんな吃音があるだけで、人の可能性が奪われる社会なんておかしい!
吃音があるだけで、自分の人生に妥協しないといけないなんておかしい!
 
だから、吃音者の可能性を創る。そんな事業をしたいと思いました。

VRによる精神障害の改善事例:統合失調症

VR統合失調症の症状が改善】

  

そもそも統合失調症とは、思考、知覚、感情、言語、自己の感覚、および行動における他者との歪みによって特徴付けられる症状を持つ精神障害の一つ。

 

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VR統合失調症の患者にとって苦手な場面である自分の幻聴から自己否定をされるという場面を繰り返すことで、慣れるという研究。

 

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結果、被験者19人のうち15人の症状が大きく改善し、幻聴が80〜90%抑えられた。


このことから、VRによる苦手な場面を繰り返すことで、苦手な場面を克服できる可能性があるのではないかと言える。

 

 

 

【具体的な実験の内容】  

ブレトンさんの場合、幻聴と幻覚があり、自分が不安に思っていることを、悪魔が指摘し執拗に攻撃してきます。不安は自分が本当に感じていることであり、そのことを脳内で実際に責められている感覚となるため、幻覚や幻聴にひどく苦しめられ続けることになります。

 

 

 

エンジニアは「拷問者」のデザインをしました。ブレトンさんは拷問者のセリフをリスト化し、外見もあわせてVRで拷問者を再現します。研究所のドーマス医師は、そのリストを把握し、実際のセッションに活用することになります。

 

 


ブレトンさんがVRゴーグルをかけ、仮想的に悪魔と対面します。その横ではドーマス医師が待機し、いつでも助けに入れる環境を整えます。そして悪魔はブレトンさんにこう語りかけてきます。

 


「お前は良い父親ではない。誰もお前を愛していない」

 


最初、ブレトンさんはこれに対して対応することができませんでした。しかし、精神科医が近くにいていつでも中止できるように、また、彼が防御反応を構築できるようにアドバイスします。6回目のセッションでブレトンさんは悪魔に対して言い返すことができるようになりました。

 


「私はいい人間だ」

 


この悪罵を映し出す治療はうまく機能しました。ブレトンさんはこのように語ります。

 


「悪魔はとても侵略的だった。私が出かけるたびに悪魔はついてきて、どんどん孤立することになっていた。しかしこの実験によって、私は悪魔と戦えるようになった。幻聴は80〜90%減少した。」

 


https://vrinside.jp/news/schizophrenia-patients-fight-against-inner-devil/

VRの吃音当事者団体を立ち上げました!

VRの吃音当事者団体「どもれんず」を、東大で吃音の当事者研究をしており、東大スタタリングの代表の山田さんと一緒に立ち上げました。

 

 

 

この団体を立ち上げた想いや理由などを書いたので、ご覧ください。

 

 

 

この団体の代表で、吃音VRの開発と研究をしている梅津と申します。私は吃音者が障害で自分の可能性を諦めなくていい社会を実現したい。そして、吃音者が世界一幸せに生きられる会社を作りたいという想いで日々活動をしています。

 

 

 

そのためには、本質的な課題解決が必要だと考えます。だからこそ、今、吃音で苦しんでいる方、これから吃音者の課題解決のために何かしたいという熱い想いがある吃音当事者共に、VRによる吃音者の課題解決を考える場が欲しい。

 

 

 

VRは吃音以外にも様々な精神障害発達障害への改善事例や研究があります。中にはすでに 企業が製品化し、お医者さんが使っていたりします。

 

 

 

その活用事例からゲームだけじゃないVRの可能性を知っていただき、さらには吃音におけるVRの可能性というのを一緒に考えていきたいと考えています。

 

 

 

※団体名のどもれんずの由来は、Microsoft社のMixed RealityのデバイスHoloLensをもじって、吃音者を表す「どもり」とVRを表す「レンズ」を合わせて、どもれんずとしました。また、視力に障害がある人はメガネをすることで、自分の可能性を発揮しています。なので、吃音者にもメガネのようなものがあれば、その人の可能性を120%発揮できるのではないか、そんな吃音者の可能性を創るメガネのようなものを作りたいという意味も込めています。

 

 

 

【具体的な活動内容】

具体的には、吃音VR体験会や吃音におけるVRの可能性や吃音以外の様々な発達障害精神障害への活用事例や研究の話をし、そこから、吃音者の課題に落とし込み、どんなことができそうか?何があったら嬉しいかということをみんなで考えたりするなどをします。

 

 

 

吃音者の課題解決って言語聴覚士とか、専門家にしかできない風に思えるけど、実は当事者だけでもこういう風に吃音者の課題を解決できるんじゃないかということを最新のテクノロジーを使ってみんなで考えたいです。

 

 

 

具体的にはこんなことをする予定です。

・吃音者の体験をVR化する。

・当事者団体やうぃーすたの例会の様子をVR化する。

・吃音当事者が吃音を乗り越えた経験や体験談をVR化する。

・吃音者の体験をVRで再現する、吃音疑似体験VR制作をし、吃音の理解、認知度、啓蒙活動をする。

などetc.....

 

 

 

※吃音当事者でなくとも、吃音者の支援に興味がある方であればどなたでも参加可能です。

(グループの質を担保するために、面識のない方には恐れ入りますが、いくつか質問をさせていただければと思います)

 

 

 

ご興味ある方は、こちらからご参加ください。

https://m.facebook.com/groups/428624227662929?ref=category_discover_landing